2017.07.23|No.10
かぜ②「かぜ と間違う病気」
かぜ は典型的にはのどの痛み、鼻水、せき、熱などが出ることを前回お話ししました。
その中でそれぞれの症状が特に強くでた場合は かぜ 以外の病気を考える必要が有ります。
①のどの痛みがひどい場合:多いのは扁桃腺炎です。せきがあまりなく、首の前側のグリグリ(リンパ節)が触れる場合は、溶連菌(ようれんきん)という抗生剤が必要になる菌が原因のことがあります。特に小さい子や若い人に多いです。その他つばも飲み込めないくらいのどが痛い 息が苦しいなどがある場合は、急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)など、怖い病気のことがあるので早めに受診した方が良いです
②鼻水がひどい場合:多いのは副鼻腔炎(ふくびくうえん)です。いわゆる、鼻の空洞に膿がたまってしまう ちくのう症です。特に鼻水の色が透明ではなく汚く量も多い場合には疑う必要が有ります。ひどくなると膿が溜まっている部分の顔面が痛くなります。副鼻腔炎は初期にはウイルス性の場合もありますが、経過が長いと細菌性が増え抗生剤が必要になります。
③せきがひどい場合:考えるべきものはまずは肺炎です。特にご年配の方や小さい子は悪化しやすいので早めに受診してください。そのほかに考えるべきものは気管支喘息の発作です。今まで喘息といわれたことがなくても、かぜなどを契機に出てくることがあります。夜にヒーヒー、ゼーゼーいう場合は疑います。
④発熱のみの場合:のどの痛みも鼻水もせきもない場合は かぜの可能性は極めて低くなります。女性なら腎盂腎炎(じんうじんえん)という、おしっこの通り道にばい菌が入ったものが多いです。この場合は抗生剤治療が必要になります。